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会議事録  

○委員長(亀井郁夫君) 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案を議題とし、質疑を行います。

  質疑のある方は順次御発言を願います。

○河合常則君 自由民主党の河合でございます。おはようございます。よろしくお願いします。
  まず、基本的なことからお尋ねをしたいと思いますが、この法案は日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構という二つの特殊法人を統合するというための法案でございますが、まずこの二つの法人について、それぞれ何を目的に設立されてきて、これまでどのような役割を分担してこられたのか、この違いを含めて簡潔にこれをお聞かせをいただきたいと思います。

○政府参考人(坂田東一君) ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。
  日本原子力研究所は、原子力の基礎・基盤研究等を行うことによりまして、我が国の原子力開発利用の共通基盤を支える役割を担ってまいりました。具体的には、研究炉や試験炉の建設、運転を通じまして、我が国初の原子炉の臨界の達成、あるいは我が国初の原子力発電を行うなど、我が国の原子力エネルギー利用、あるいは原子力の研究開発を支える基盤の確立に貢献してきたと思っております。
  一方、核燃料サイクル開発機構は、その前身でございます動力炉・核燃料開発事業団が設立されて以来、高速増殖炉や新型転換炉の開発、ウラン濃縮技術の開発、再処理技術の開発など、国のプロジェクトでございます核燃料サイクルを支える技術開発を実施する役割を担ってまいりました。これまでに高速増殖炉の技術基盤あるいは再処理技術の自主技術、こういったものの確立をいたしますとともに、それらの技術の民間への技術移転を行ってまいりました。
  このように、日本原子力研究所が原子力の基礎・基盤研究を中心といたしまして、また核燃料サイクル開発機構が実用化を目指したプロジェクト研究開発を中心といたしまして、それぞれの役割を分担することにより我が国の原子力開発利用の発展を支えてきたところでございます。

○河合常則君
  この二つは、それぞれ日本の原子力の研究、そしてその開発に役割分担しながらやってこられた、我が国の原子力を支えてこられたんだというふうに思っていますが、なぜ政府は今この二つの法人を統合しようとするのか。初めに、政府内部で今回の統合についてはいつどのような形で決定されて、これまでの間どのように検討を行ってこられたのかということを明らかにしていただきたいと思うのでございます。
  そこで、お伺いしますが、この原子力二法人を統合することが決定されてから、この法案の提出に至るまでの経緯について御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(坂田東一君)
  お尋ねの経緯の問題等でございますけれども、政府は、重要な国家機能を有効に遂行するにふさわしい簡素、効率的、透明な政府を実現する、そういう行政の構造改革の一環といたしまして、特殊法人等改革基本法にのっとり平成十三年十二月に特殊法人等整理合理化計画を閣議決定したところでございます。
  この閣議決定をされました計画におきまして、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構につきましては廃止した上で統合し、新たに原子力研究開発を総合的に実施する独立行政法人を設置する方向で平成十六年度までに法案を提出するという具合にされたところでございます。
  これを受けまして、文部科学大臣は、平成十四年の二月から原子力二法人統合準備会議を開催し、事業の重点化、効率化を念頭に置きながら、新たに設置をする独立行政法人の役割、機能等につきまして検討を行い、新法人の設立の意義、基本理念、新法人の使命、業務等につきまして、平成十五年の九月に原子力二法人の統合に関する報告書を取りまとめたところでございます。文部科学省は、この報告書にのっとりまして関係府省とともに準備を進め、今回この法案を御提出申し上げたところでございます。

○河合常則君
  政府におかれては、特殊法人等の改革の一環として閣議決定された特殊法人等整理合理化計画によってこの二つの法人を統合することを決定したと、そういう話でございましたね。
  それから、これは、文部科学省としては宇宙開発事業団や日本学術振興会といった特殊法人を独立行政法人にしてきたのでございますが、この一種の特殊法人等改革の一環として今回の統合をとらえることができるのではないかと考えておりまして、この統合は実は行政改革の一環として行われるものであってでも、文部科学省としては、この二つの法人が行ってきた原子力の研究と開発について責任を持つ立場から、当然二法人を統合することの意義が認められるとの判断があったから閣議決定で統合することが決定されるに至ったのだと思うのでございます。この原子力の研究開発を実施する体制をどのようにすればよいのかという観点、ここが非常に大事なんだと思いまして、この統合の意義を明らかにしておくことが必要なんだと思うのでございます。
  そこで、文部科学省としては、今回の原子力のこの二法人を統合することの意義についてはどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。

○大臣政務官(小泉顕雄君) 今回の統合の意義についてのお尋ねでございます。
  お答えをさせていただきたいと思いますが、私が申し上げるまでもないことでありますけれども、化石燃料の枯渇を始めとしまして二十一世紀のエネルギー供給ということにつきましては非常に大きな課題であるわけでありますが、そういう中で原子力の利用というものは極めて重要なテーマであります。
  そういう状況の中で、原子力二法人の統合というのは、原子力を取り巻く諸情勢が現在必ずしも容易ではない、そういう状況の中で我が国の原子力研究開発を更に活性化をさせるとともに、国民の信頼を得て更なる発展を目指す極めて重要な機会になるのではないかというふうに考えております。
  この統合によりまして、新機構は、原子力の基礎・基盤研究からプロジェクト研究開発までを包含をします総合的でかつ先端的な原子力の研究開発機関として幅広い研究開発分野間の連携、あるいは融合といった面におきまして大きな効果が発揮できると期待をしておりますし、また、柔軟性と迅速性を満たす研究開発の進め方を実現をできる可能性といったものが格段に高まるものと期待をしているところであります。
  さらにまた、研究施設あるいは人材あるいは予算といった研究資源の効率的な活用を実現をしながら、社会が求めています研究開発の成果というものを効果的に生み出していくということについても期待を抱いているところでございます。

○河合常則君
  これまで日本原子力研究所が行ってきた基礎・基盤研究から、核燃料サイクル開発機構が大規模な国家プロジェクトとして行ってきた研究開発まで一つの法人が一体的に行うと、そういうことでは、今政務官おっしゃいましたように、研究開発が柔軟かつ迅速に行われる、それに効率化、合理化もできるという体制になる、そういうことと、国民に安心、そういうものを、世論を得るチャンスだというふうなことなどもありというふうにもお伺いいたしました。
  では次に、研究開発を行う体制についてお伺いしたいのでございます。
  特殊法人等の整理合理化計画には、原子力二法人を統合して新たに設立する法人は独立行政法人として設置するとされておりました。つまり、これからは独立行政法人制度という新しい枠組みの中で原子力の研究開発を行っていくことになると思うのでございますが、そこで基本的なことをお尋ねしますが、まず、そもそもその独立行政法人制度というのはどのような制度なのかと、この制度の趣旨を御説明いただきたい。また、この法人を独立行政法人として設立することによってどのような効果がこの制度に、この仕組みで期待できるのかも併せてお伺いしたいと思います。

○大臣政務官(小泉顕雄君) お答えをいたします。
  まず、一般論としてでありますけれども、独立行政法人は、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事業につきまして、これを効率的かつ効果的に行わせることを目的として設立される法人であります。その業務運営に当たりましては、政府による事前チェックや監督といったものを極力排し、法人に裁量と責任を持たせた上で、その事業の成果につきましてこれは厳格な外部評価、事後評価というものを行うといった趣旨であります。
  より具体的に申し上げますと、第一に、主務大臣の一般的な監督権限あるいは毎年度ごとの予算、事業計画といったものの認可、これを廃止をするということ。第二に、主務大臣が定めました中期目標に基づきまして法人自らが中期計画を作成し、主務大臣の認可を受けて自己責任の原則と幅広い裁量の下に計画的に業務を遂行することといった特色を有するものであります。
  今回設立しようといたしております新機構は、主務大臣が策定します中期目標の下で独立行政法人として自らの裁量及び責任を持って柔軟かつ弾力的に業務を実施するということが可能になりますことから、これまでの二つの法人が有しております知見あるいは人材あるいは研究施設といったものを最大限に、しかも効率的、効果的に活用し、産学との協力も一層強化、発展させることによりまして、社会が求めております優れた研究開発成果をより効果的に生み出していくといったことが期待されるというふうに考えております。

○河合常則君
  この独立行政法人は、今の話では、原子力の研究開発がこれまで以上に柔軟かつ弾力的に、まず自己責任で、で、事後評価もしてきちんとやられると、こういう長所があると、こういうことでもございます。
  それでは、この独立行政法人、これは特殊法人もそうでございますが、企業会計の体系の中に入る、これは独立行政法人はより企業会計に体系、しっかり組み込まれるといいましょうか、そうだと思うのでございます。これは企業会計原則、これを基本として会計処理が行われると思うのでございますが、この新しい機構は長期借入金とか債券の発行とかそれから資本金、それから欠損金、累損などがあれば今までの法人のを引き継ぐんだと思いますが、こういうものを、会計上こういうことについていろいろな論点があるんだと思うのでございます。論点があるというか、そういう二つの法人の今まで持ってきたものを引き継いでやっていくということですから、資本金はどうする、欠損金はどうすると、そういうふうにこれからお金借り入れてやるときはどうするか、一般会計からどうとかと、こういうことになるんだと思いますが、そこでお尋ねをしたいのでございます。
    〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕
  会計処理上、研究開発の成果などはどのように収入として評価するのかな、計上するのかなというのが一つ。それからまた、新機構が行う借入金や債券の発行は国がこれは保証するということなんだろうと思いますが、それも確認したいと思います。それから、この原子力二法人において資本金や資産、累積欠損金、これは新機構においてはどのように取り扱われるのでしょうか、お尋ねをいたします。

○政府参考人(坂田東一君) ただいま先生から財務会計にかかわります三点の問題の御質問ございました。順にお答えさせていただきます。
  第一点の研究開発の成果の取扱いの問題でございます。
  これにつきましては、独立行政法人会計処理基準に基づいて当然処理をしていくということになります。具体的に申し上げますと、研究開発は運営費交付金をいただいてやるわけでございますけれども、この運営費交付金の交付を受けた時点におきまして貸借対照表上いったんこれを運営費交付金債務として負債に計上いたします。同時にまた、同額を流動資産といたしまして資産の部にも計上いたしますけれども、それから研究開発が進展いたしまして業務成果の達成度に応じてこの債務を取り崩すということになってまいります。そして、その取り崩した額を損益計算上、収益側とそれから費用側にそれぞれまた計上いたしまして、そのことによりまして研究開発が進んでいくと、進捗状況を表示するという考え方でございます。
  それから、第二点の新機構が行います借入金と債券の問題でございます。
  新機構におきましては、その業務の実施に当たって、原子炉や再処理施設など多額の資金を要する施設の建設等が必要でありまして、当該施設の建設時など一度に多額の資金が必要となり、それらの施設の運転によって、しかも自己収入が将来見込まれるという場合でございますけれども、その場合に、すべての資金を国の財源措置で手当てをするということが適当でないということもあるわけでございまして、その場合には、それらの資金を調達する手段といたしまして、一年を超える長期の借入金それから債券の発行と、こういったことを実施することによりまして市中から資金を調達ができるようにしようと、そういうことでその旨を今回の法案の第二十条に規定をしたところでございます。
  新機構がこの条項に基づきまして長期借入れを行って債券を発行する場合には、長期借入金それから債券の信用力を補完し、市中からの資金調達を容易ならしめるために、この法案の第二十一条の規定によりまして、国会の議決を経た範囲内において政府保証を行うと、そういうことができるという具合にしたところでございます。
  それから、第三点の資本金と資産の承継、それから累積欠損金の取扱いの問題でございます。
  この法案の附則の第二条それから第三条の規定によりまして、新機構において業務の遂行に必要となる資産と申しますのは、すべて時価評価を行った上で新機構に承継をするということにしているところでございます。また、新機構の資本金でございますけれども、承継する資産の時価から負債の金額を差し引いて算出することにしておりまして、実質的に欠損金は承継をしないという措置をしているところでございます。
  なぜ実質的に欠損金を承継しないかという理由でございますが、独立行政法人制度におきましては、先ほど政務官からお答え申し上げましたとおり、法人の経営に関しまして自主性、自律性が付与されている反面、業績につきましては、その業績、実績につきまして独立行政法人評価委員会等の評価を受けるということになっております。仮に累積欠損金が独立行政法人化に際して承継されるという場合には、新しいその独立行政法人の経営に関して責任を負う独立行政法人の長でございますが、その長が、本来責任はないという損失を設立時点から計上することになりまして、新機構の経営努力により利益が発生した場合でも欠損金の処理に充当しなければいけない、そういうようなことになってしまうということで、新機構の財務状況が必ずしも的確に把握ができないというような問題が生ずるからでございます。そういう意味で、累積欠損金については新法人には承継しないで対応していくということでございます。
    〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕

○河合常則君
  今の話の中で、成果が出ると、交付金でもらって、それから成果が出ると、それをきちんとやっていくという、単年度でその成果、評価するのも非常に難しいんだろうと思いますが、これまた内部できちんとやれるような仕組みになるだろうと思っていますが、いずれにしても、この独立行政法人の会計基準などにのっとって適正に取り扱われるということでございますし、累積欠損金はなしにスタートできるという、その分だけ資本金減るわけでございますが、安心してスタートできるという仕組みなのだなとはいうふうに思うわけでございます。この累積欠損金は新しい法人に引き継がないというふうに、これはかなり大事なことだというふうに思うわけでございます。
  ただ、この二法人は政府だけでなしに民間からも出資を受けておりますので、ともに新しい法人に引き継がれるものと聞いておるわけでございますが、この趣旨については民間出資者の方々にもその必要性を御理解いただくことが重要だと思いますので、この二法人については事前に民間出資者に十分な説明を行っていただきたいというふうに思うわけでございます。
  次の話に移らせていただきたいと思います。
  文部科学省においては特殊法人等整理合理化計画の決定を受けて、文部科学大臣は原子力二法人統合準備会議を開催されました。そして、原子力二法人の統合に向けて新法人の役割や機能について検討を行い、一年半以上にわたって熱心な検討の結果、最終的に報告書を取りまとめられたというふうに先ほど話もございました。
  この原子力二法人の統合準備会議で行われた検討会議の内容については、さきの委員会で参考人の秋山先生、参考人の話などでは、平成十四年の二月から平成十五年の九月までの間に十八名の委員で十六回の統合準備会議を開いたと、二十二名の各界の有識者から意見を聞いて報告書をまとめたと言われておりまして、その準備会議の話の中では、統合の意義は、原子力に関する国民の信頼を回復すると、新たな発展のチャンス、新たな発展を目指すチャンスにすると、こういうふうに言っておられましたし、総合的な研究開発体制の実現、効率的な業務の遂行が可能であるというふうにもおっしゃっておられました。先ほどのこととよく似ておるんでございますが、そして理念は、原子力研究開発の国際的な中核拠点を目指し、安全の確保の徹底と立地地域との共生にベストを尽くすともおっしゃっておられました。原子力の基礎・基盤研究、核燃料サイクルの確立を目指した研究開発、原子力分野の人材養成を業務とするというふうにも言われておりまして、そこまで、今まで別々にやってきました基盤・基礎研究からプロジェクト研究に至る幅広い研究開発事業の一元化により、業務の効果的、効率的な実施をするというふうに報告書がまとめられたようでございます。
  先ほど答弁の中で少しはお答えをいただいていますが、この考え方、この統合準備会議の考え方、これは法案にしっかり反映されておるのだろうとは思いますが、いかがでございますか。

○政府参考人(坂田東一君)
  統合準備会議の報告書の内容と法案などとの関係の御質問でございますけれども、この統合準備会議の報告書におきまして、確かに統合の意義、理念、こういった中身がはっきりと書かれてございますし、また、一元化による効果的、効率的な業務の実施が非常に大事だし、また期待されると。そういった考え方につきましては、私どもといたしまして、まずはこの法案の中の目的規定でありますとか業務規定、そういったところに反映できるものはできるだけ反映させるという考え方で対応してまいりました。
  ちょっと具体的に申しますと、四条に目的規定がございますけれども、ここでは、「原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づき、原子力に関する基礎的研究及び応用の研究並びに核燃料サイクルを確立するための」、「技術の開発を総合的、計画的かつ効率的に行うとともに、これらの成果の普及等を行い、もって人類社会の福祉及び国民生活の水準向上に資する原子力の研究、開発及び利用の促進に寄与することを目的とする。」という具合に明示した、明記したところでございます。また、十七条に業務規定がございますけれども、ここにもはっきりと、原子力の基礎・応用研究、核燃料サイクル技術のための研究開発、あるいは原子力に関する研究者及び技術者の養成といったようなことを書きまして、統合準備会議で御指摘のあった点を法案に反映いたしました。
  さらに、この統合準備会議の報告書で指摘されておりますいろいろ重要な事項、例えば、先生も今申されました国民の信頼の回復、あるいは立地地域との共生の問題、それから総合的な研究開発体制をしっかりと作るという問題につきましては、これから中期目標の策定あるいは中期計画の認可などに当然反映していく必要があると思っておりますし、同時に、より大事なことといたしましては、新機構自らが具体的な業務運営を進める中でそのような統合準備会議で御指摘されたことをしっかりと実現すべく努力をしていくことではないかと、そのことが大変重要ではないかと考えているところでございます。

○河合常則君
  また、今回のこの原子力二法人の統合に際しては、この二法人は昭和三十年代に制定された原子力基本法に規定される特別な機関としてこれまで原子力委員会が定めた原子力長期計画の下で我が国の原子力の研究開発において中心的な役割を担ってまいりましたし、その中で原子力安全確保に関する我が国全体の研究開発を牽引する重要な役割も果たしてきました。我が国の原子力行政の民主的な運営を図るために内閣府に置かれている原子力委員会と原子力安全委員会からも、それぞれにわたって意見が表明されていると伺っております。
  そこでお尋ねしますが、今回の原子力二法人の統合に当たっては、原子力委員会と原子力安全委員会からはどのような意見が表明されたのですか。また、その意見はこの法案にも反映されたと思いますが、御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(坂田東一君)
  原子力両委員会からの意見などをどのようにきちんと法案に反映したかというお尋ねでございますけれども、原子力両委員会とも大変この統合については御関心がございまして、これまで原子力委員会からは四回、それから原子力安全委員会につきましては二回の、この統合にかかわります決定とか意見などをいただいております。また、先ほど御説明いたしました原子力二法人統合準備会議、この開催、長く開催いたしましたが、この場におきましてもそれぞれ両委員会より二回の意見をいただき、また意見交換をしたところでございます。
  原子力委員会がその際おっしゃいました主な意見でございますけれども、新法人がこれからも引き続き原子力の長期計画に沿って我が国の原子力研究開発において中心的役割をしっかり担ってもらいたいということ、また核燃料サイクルの研究開発、核融合の研究開発等におきまして主導的な立場で原子力研究開発に取り組んでいってもらいたいということ、そういった御意見をいただいております。
  また、原子力安全委員会からは、原子力の安全規制の活動への支援、それから規制にかかわります政策全般に資する研究等を着実に推進してもらいたいということ、それから原子力の安全活動を支えていく上では、人といいますか人材、大変大事でございますので、人材の基盤も含めたいわゆる知的基盤の問題、あるいは研究施設や設備等のそういう研究基盤の問題、これを継続的に新法人では維持強化をして、しっかりと原子力安全活動を支える役割を担ってもらいたいという、そういう御意見をいただいたところであります。
  これらの御意見を踏まえまして、文部科学省としては、先ほども申し上げましたが、この法案の目的規定でありますとか業務規定、あるいは理事長の任命規定等に反映をしたところでございます。そして、この法案の中身につきましては、国会に御提出する前にこの原子力両委員会に御説明を申し上げまして、そして両委員会からは、これまで両委員会が示されてまいりました考え方と整合しているという御見解もいただいたところでございます。
  いずれにいたしましても、両委員会からいただいた御意見、大変大事な意見ばかりでございますので、これから、個々具体的な事項の問題につきましては、中期目標の策定、中期計画の認可、そういった場合にしっかり反映するということとともに、新機構自身が業務運営を進める中でも適切にこの両委員会の御意見を実行していくということが大事であろうかと考えております。

○河合常則君
  この法人は、統合された時点で四千人以上の職員、それから二千億円余の予算規模を有する極めて大きな研究開発機関となります。我が国における原子力の研究開発活動の大部分を占めることになるんだろうと思いますが、しかし一方で、我が国における原子力の研究開発は、この法人のほかにも多くの大学や研究機関においても実施されておるのではないかと思いますし、この新しい法人はそういう機関や大学とも連携、協力してその使命を果たしていくことが重要になるのだというふうにも思うのでございます。
  この原子力二法人の統合準備会議の検討の結果、それから原子力委員会、原子力安全委員会の意見も十分お聞きになったということでございますが、この関連の研究機関や大学などについてのそういう方の、学術会議とかそういう方々の意見も聞かれたかどうか、聞かれたら、どういうふうに、その中身はどうであって、それも反映されておるかどうかというふうにお聞きをしたいと思います。

○政府参考人(坂田東一君)
  原子力二法人の統合に当たりまして、この統合準備会議を開催をして、いろいろな論点の整理も必要でございましたし、いろいろと検討すべきことがございましたが、それらに当たりまして、この統合準備会議において各界から意見聴取をしたところでございます。
  先生御指摘のとおり、大学、研究機関、学術会議等々を含めまして二十二名の研究者の方々から十二回にわたりまして意見をお伺いして統合準備会議の報告書に反映をしたというところでございます。
  いただいた意見の中で少し主なものを述べさせていただきますと、例えば持続的発展のためのエネルギー、そういう問題と放射線環境管理の科学技術活動、こういったことのいわゆるセンター・オブ・エクセレンスということをしっかりこの新機構は目指してもらいたいというようなこと。それから、高速増殖炉というものはエネルギー資源を輸入に頼る日本にとりまして重要な研究開発であり、長期的な観点から振興すべきであるといったような点。それから、この新法人の大きな特徴ではございますけれども、基礎・基盤研究とプロジェクト研究開発との連携をいかに密に取って、いかにお互いの能力を活用し合い、効率的、効果的に研究開発を進めていくか、是非そういうことを実現してもらいたいということ。それから、研究開発活動の推進に当たりましては、国際的な視点、これを主要な評価軸として、その研究開発の成果についてはしっかり評価もしていかなければいけないというような点。
  こういったことをいただきまして、これらを踏まえて、先ほど来申し上げておりますとおり、私ども、この法案を関係府省ともしっかりと御相談して、作り上げて御提出申し上げたというところでございます。
  先ほど申し上げましたとおり、二十二名の方々からいただいた御意見、しっかりこれもこれからの中期目標などの策定あるいは具体的な業務の実施に反映する必要があるという具合に考えております。

○河合常則君
  それでは次に、この新しい法人の業務の内容について少しお尋ねをいたしたいと存じます。
  この新法人の業務の範囲に関してでは、今回の二法人の統合は特殊法人等改革の一環として行われるものでありますが、この原子力、今までの二法人がこれまで行ってきた業務を単純にそのまま新法人に引き継ぐということではないのでなかろうかなとも思うのでございます。
  当然、今回の統合に当たっては、改めて二法人がこれまで行ってきた業務の一つ一つについて、これは続けると、これはプラスアルファしてやっていくと、それからこれはやめようかなというものがあるのではないかと。まあ区々にそういう判断もされるのではないかと思いますが、取捨選択が行われたとすれば、そういうこともまた非常に大事なことだと、そういうふうにも思うのでございますが、そこで、新法人の主な業務の内容を説明していただきたいとともに、今回の統合に当たって廃止するという主なものがございましたら、その中身と、理由も併せて御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(坂田東一君)
  新法人の業務につきましては、先ほど来申し上げております統合準備会議の報告書の中で、統合準備会議から是非新法人においてはこういった点を重点的にやってもらいたいという御注文を受けました。基本的にはその御注文に従って法案化作業を進めたわけでございます。
  したがって、その法案の業務条項の中には、先ほど申し上げたとおり、まず基礎・基盤研究ということで、原子力の基礎的な研究と応用の研究というのをしっかりやる。あるいは、日本にとって核燃料サイクルというものは大変大事でございますので、その核燃料サイクルの確立ということのために高速増殖炉等の技術開発をしっかりやる。それから、更に大事なことといたしまして、それらの成果をしっかり社会に還元していく、普及、活用していくということで、成果の普及と活用の促進というのをしっかり入れたところであります。
  また、人材というものがこれからも大変大事であるということで、いろいろな原子力の施設を持ちます新機構は、それらの施設を活用して産学との共同研究、あるいは学における原子力の教育研究への支援という意味で、原子力の研究者、技術者の養成といったことも業務の中に書き込んだところであります。
  それからさらには、これは余り芳しくない例かもしれませんが、仮に事故が起こった場合に、その原因究明をある意味で中立的な立場あるいは客観的な立場でしっかりやらなければいけません。そういう問題については、規制行政庁の方から、是非事故原因究明に協力してもらいたいという御依頼がございます。場合によっては、関連する活動について地方自治体からの御依頼もございます。したがって、そういう御依頼を受けて、原子力にかかわります試験研究、調査、分析、鑑定と、こういったこともやるということを今回きちんと書き込んだところでございます。
  そういう意味では、これまでの二法人のやってまいりました業務をベースとしながらも、将来を見て、より大事な点は何かというところをクリアにして業務に書き込んだところでございます。
  一方、もちろんやめる業務もございます。
  やめる業務といたしましては、これまで日本原子力研究所が実施してまいりました原子力船の開発のために必要な研究、あるいは放射性同位元素の輸入、生産、頒布の業務、こういったものについては実施をしないということにいたしました。
  理由でございますけれども、まず第一の原子力船の開発につきましては、原子力船「むつ」の開発、運転によりまして、研究開発により所要の成果は既に得ておりまして、今の段階では、今後の中長期的な展望の中で更に原子力船の研究開発の計画を具体化するといいますか想定するということはしておりませんので、そういう意味でこの研究開発はやめるということが一つでございます。
  二点目の放射性同位元素の輸入、生産、頒布でございますけれども、この点につきましては、平成六年度の特殊法人改革によりまして基本的に民間移管するということにされておりまして、この民間移管が平成十五年度に完全に終了いたしましたものですから、今般、新機構の業務にはその点についても規定しない、実施しないということにしたところでございます。

○河合常則君
  やめると言われたこの二つの中で、特に原子力船「むつ」の開発、運転については一定の成果も得たので、新しくこの法人は原子力船を建設する、運転するという見込みはないと、やめるということでございました。成果があったと、成果を得ておると言われましたので、この「むつ」の開発は原子力研究開発に関する国家プロジェクトの一つとして今まで行われてきたものですが、このプロジェクトで得られた成果は我が国にとっても大変貴重なものだとも思います。この業務を廃止するに当たって、このプロジェクトを完遂した日本原子力研究所の責任において、その成果をきちんと取りまとめておいていただくということを望みたいと思います。
  次に、新法人が行う個別の業務について少しお聞きしたいと思います。
  十一月九日にこの委員会、茨城県東海村にある日本原子力研究所の東海研究所と核燃料サイクル開発機構の東海事業所、核融合研究開発の拠点である那珂町の日本原子力研究所那珂研究所の三か所を視察させていただきました。大変、初めて見るところで勉強になりまして、我々が日ごろ目にする、こういう機会ないものですから、そういう先端技術に、最先端の技術に関する研究開発設備見ることができて有り難かったと思いますが、行きまして、原子力の研究開発の最前線におられる皆さん、日夜本当に頑張っておられて、高い使命感を持ってやっておられるなという、そういう熱意を感じることができました。非常に有り難かったと思っています。
  さてその際、日本原子力研究所の東海研究所において、現在正に建設中の巨大な最先端を行く加速器であるJ―PARCの建設現場も見たんですが、このプロジェクトについてお尋ねをします。
  この意義と期待される成果についてお伺いしたいんですが、まずは現地において、これと同じような計画はアメリカかどこか、海外においても行われておるという話を聞きまして、そしてその方が日本のよりもちょっと、一年ほど先行しておるという説明もあったと思うのでございます。この科学技術の分野で発明、発見が二番せんじというのも、あと一年で後を追っ掛けておるというのもどうかなと思いますが、二番せんじだったら、まあ意味がないとは申しませんけれども、何となく残念な気もしまして、これが早くその施設を完成をして、追い越すといいましょうか、そういう成果が出るように国際競争の観点からも私は重要なのではないかと思いますが、文科省のお考えをお伺いしたいと思います。

○政府参考人(清水潔君)
  お尋ねのJ―PARC、大強度陽子加速器計画についてでございますが、これは御案内のように、高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究所が共同で世界最高レベルのビーム強度を持つ陽子加速器を東海村に建設する計画でございます。平成二十年度からの実験の開始に向けて、平成十三年度から建設に着手しているものでございます。
  この計画の意義についてのお尋ねでございますが、本加速器施設は、第一に中性子などを用いた高温超伝導体の機能解明、あるいはたんぱく質の構造解析等、正に二十一世紀の物質科学研究、生命科学研究を展開しようとするものでありますし、さらに第二は、中間子やニュートリノなどの様々な粒子を用いた原子核、素粒子に関する基礎研究など、基礎研究から応用研究まで幅広い分野での貢献が期待されているところでございます。
  お尋ねの海外での同様の計画についてでございます。平成二十年の実験開始までの間に、例えば中性子利用研究施設の計画としては、アメリカのオークリッジ研究所が平成十八年実験開始予定の計画を進めております。英国のラザフォード・アップルトン研究所におきました、平成十九年の実験開始予定に向けまして中性子源の増強計画を進めているというふうな状況でございます。
  また、ニュートリノ振動実験については、アメリカのフェルミ国立加速器研究所が平成十七年の実験開始を、さらに欧州のCERNでは平成十八年の実験開始の計画を進めておる、こんな状況でございます。
  このように、J―PARCで目指す研究というのは、厳しいというか、激しい国際競争の中にあります。
  今御説明申し上げましたように、他国の計画は、実験開始は先行する予定ではありますが、まず第一に、中性子利用研究においては瞬間的に発生できる中性子が量が多いという特徴がJ―PARCにはございます。そういう意味では、特に生体物質の構造解析において有意な設計になるというふうに考えております。
  また、ニュートリノ振動実験におきましては、発生するニュートリノのビーム強度が大きいという特徴がございます。今御説明申しましたアメリカのフェルミあるいはCERNのOPERA実験が今現在行っている第一段階の、実験開始は先行しますが、今行っている規模のものでございます。そういう意味で、発生するニュートリノビーム強度は大きいというそういう特性を生かして、他の施設ではできない新しいニュートリノ振動検出を目指しております。
  というようなことで、私どもとしては、優れた成果を、研究成果を出すことは期待しておりますし、また期待されておりますので、計画の着実な推進に努めてまいりたいと考えております。

○河合常則君
  今の話聞いて、きちんとした特徴があって大丈夫なんだという、ちょっと少し安心もしましたが、また頑張って、前倒しできてやれるものはやるというふうに努力してもらいたいとも思います。
  さて一方、東海村へ着いたときは、核燃料サイクル開発機構の東海事業所が最初だったんですが、高レベル放射性廃棄物の処理研究の現場にも行ったわけでございます。ここで行われる研究開発の対象である高レベル放射性廃棄物の処理処分というのは、原子力発電所から出る使用済燃料を再処理し、限りある資源のウランを最大限有効に使用するために重要な工程の一つでもございます。リサイクル社会にも合致する重要な技術だという印象も受けましたし、ここがしっかりしておれば原子力の研究開発は進む、国民の安心を得ることの前提だとさえ思ったのでございます。
  そこで、このことについて、現在、核燃料サイクル開発機構、文部科学省と一緒になって所管しておられるといいますかね、引き続き新法人についてもこの業務を一緒に所管される経産省においてお伺いしたいのでございますが、この研究開発の現在の進捗状況をお伺いするとともに、ここでの研究開発の成果は我が国における高レベル放射性廃棄物処理事業の実施主体にどのように活用されることになっているのか、御説明をいただきたいと存じます。

○政府参考人(安達健祐君) 御説明申し上げます。
  お尋ねの高レベル放射性廃棄物の処分の研究開発につきましてでございますが、旧動力炉・核燃料開発事業団が中核となりまして昭和五十年代より関係機関と協力しながら取り組んでまいりました。平成十一年には核燃料サイクル開発機構がそれまでの成果を報告書に取りまとめ、我が国での地層処分概念の成立性を概括的に示したところでございます。この報告書につきましては、平成十二年十月、原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会において、我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的よりどころになると評価されております。また、同年、これらの研究成果も踏まえまして、高レベル放射性廃棄物処分に向け、実施主体等の枠組みを定めた特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が制定されたところでございます。
  現時点では、現行の原子力長期計画の下で、核燃料サイクル開発機構は、地層処分技術の信頼性の向上を図る観点から、実際に岐阜県瑞浪市及び北海道幌延町において深地層研究施設の整備等を進めるなど、他の関係機関との適切な役割分担の下、着実に研究開発を行っているところでございます。
  次に、実際に処分を実施する主体でございます原子力発電環境整備機構におけるこれらの研究成果の活用につきましてでございますが、核燃料サイクル開発機構と原子力発電環境整備機構との間で既に地層処分技術について協力協定が締結されてございまして、これに基づいて関連する情報の交換が進められているところでございます。この協力関係は今回設立されます日本原子力研究開発機構においても引き継がれるものと承知してございます。

○河合常則君
  廃棄物をガラス詰めにして三百メーター、地盤の安定したところの下へ、地下へ入れるというような、そういうことを考えておるというふうにおっしゃっていましたし、これは大丈夫なんでしょうというのを、非常に、この研究がきちんと進むということは非常に重要なことなんだろうと思うのでございます。
  さて、これまで日本の原子力研究所というのは、原子力分野の基礎的、基盤的な研究開発に取り組んで、その成果である原子力の安全の確保に関する最新の科学的な見地を、知見というもの、見方、知識というのを、原子力安全委員会を始めとする我が国の原子力安全規制に係る行政機関に提供してきたというふうにも伺っております。
  このような日本原子力研究所が行う中立的な立場、スタンスといいましょうか、そのような行政機関への活動の協力は我が国の原子力の安全規制行政において重要な役割を果たしてきたと思うのでございます。この役割は新しい法人に引き継がれるのだと思うのでございますが、一方で、先ほどからの話で、新法人は自らが原子力の総合的な研究開発機関として、高速増殖炉「もんじゅ」の開発などのプロジェクト研究を進めるという重要な役割も担っていかねばならぬということでございます。このように、新法人は、プロジェクト研究開発を推進していくという役割と、原子力の安全規制を、中立的な立場からそういう安全規制の行政にきちんと協力していくという、こういう役割も担うのかなと思うわけでございます。
  変なこと、変なというか簡単に例えれば、野球に例えたら、ピッチャーがバッターボックス見てキャッチャーを向いてボール投げて、それでピッチャーがストライクだボールだと、こういうことになるのではないかという懸念も、そんな感じかなというふうにも思うのでございまして、そこで、その例えは余りよくないよと言われるかもしれませんが、何となく、自分たちで研究開発もすると、ところが安全についてのスタンスも持つんですよと。それは当然のことですが、その判定は自分たちでやるんだという感じもしますので、これは、新しい法人は原子力の安全規制行政に協力する際に、新法人の活動における中立的な、中立性の担保、国民が外部から見たときに、まあ見たときにと言ったら変ですが、新しい法人は自分たちの都合のよいデータを行政に提供しているのではないと、そういう疑いをするのではないかなという疑いを持たれないような、そういうふうにしなきゃならぬのだと思うのでございます。
  ここは非常に重要なことだと思いますので、ひとつこの点について文部科学省の御見解をお聞きしたいと思います。

○副大臣(小島敏男君)
  ただいま御指摘があったわけでありますけれども、御懸念の点は確かにそのとおり感じることもあると思うんですけれども、原子力安全規制の協力活動というのは原子力の推進活動から適切に分離、独立をすることが必要であるということが考えられております。
  このため、例えば原子力二法人統合準備会議の報告書に書かれているわけでありますけれども、新機構内部の独立したセンター的な組織を活動の中核とするなどにより、業務の透明性、中立性の確保の要請に対して特段の配慮が必要だということが書かれています。
  したがって、独立行政法人の組織は理事長が決定するというものでありますが、新機構においてもこの考え方を参考にして、原子力安全規制行政への協力の仕方については透明性、中立性、独立性の確保について特段の配慮をすることが御指摘のように必要だと思っています。

○河合常則君 是非よろしくお願いをいたしたいと存じます。
  そこで、現在、新しい原子力長期計画に関する検討が進められておると承知しています。原子力の長期計画は我が国の原子力の研究、開発及び利用の基本方針を示すものです。この新たに策定される原子力長期計画に定められる方向性というものは、新しい法人の中期目標及び中期計画に対しても大きな影響を与えるものになると思うのでございます。
  そこで、原子力委員会の長期計画及び新しい機構の中期目標並びに中期計画は、これはどうも、それぞれだれが策定をして、国民に対してどのように説明していくことになるのか、御説明をしていただきたいと思います。

○政府参考人(坂田東一君)
  まず、原子力の長期計画でございますけれども、これは原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画というのが正式の名前でございますが、これは内閣府の原子力委員会が我が国の原子力研究開発利用のための基本方針あるいは推進方策を定めるものでございます。
  国民との関係につきましては、この長期計画の策定過程におきまして、長計についてご意見を聴く会というものを何度も開催してこられたことでございますとか、あるいは策定した長期計画のホームページへの掲載などによりまして、広く国民に内容の説明あるいは情報の提供を行うということにしてきているものと承知をしております。
  一方、中期目標でございますけれども、これは独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標でございまして、この中期目標については独立行政法人通則法に基づき、主務大臣でございます文部科学大臣及び経済産業大臣が原子力委員会の意見を聴取した上で定めるということになっております。また、中期計画につきましては、中期目標を達成するための計画という位置付けでございまして、新機構の中期計画については中期目標に基づき新機構が策定をし、主務大臣の認可を得るということになっているわけでございます。
  なお、この新機構の中期目標及び中期計画につきましては、それぞれ作成者が、要旨の官報等による公告、ホームページへの掲載や事務所への備置き、一般の閲覧に供することなどによりまして、その内容を国民に対して明らかにするということにしているところでございます。

○河合常則君
  新しいこの法人は、当然原子力長期計画に示す基本方針にのっとって業務の運営をするということになると思うのでございます。新しい原子力長期計画は、平成十七年中に取りまとめられるということになっておると聞いていますが、一方でこの法案は平成十七年の十月一日に設立するということに、予定になっています。
  そこで、原子力委員会の作成する原子力長期計画と新しい法人の中期目標の関係を整理するとともに、現在、原子力委員会における新しい長期計画がこの新しい法人の設立される十月一日の時点でできていなかったということになるとどうなるのかなと。この新しい計画に関する原子力委員会の検討状況は中期目標に反映されなくてもいいのかと。こういう点を明らかにしていただくことが必要なんだと思うのでございます。
  そこで、原子力委員会が原子力長期計画に定めた基本方針の内容は、主務大臣が作成する中期目標の内容にどのように反映されるのか。また、この点についてはこの法案ではどのような処置を講じているのかを含めて御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(坂田東一君)
  原子力委員会が定められます原子力のこの長期計画でございますけれども、この位置付けにつきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、我が国の原子力研究開発利用の基本方針あるいは推進方策というものがその中に盛り込まれることになっております。当然のことといたしまして、新機構におきましても、この長期計画に書き込まれます方針、こういったものにはしっかりとのっとって事業が進められる必要があるという具合に認識をしております。
  したがいまして、まず新機構の中期目標、これを作ります場合には、原子力委員会において示されるいろいろな決定がございます。これは、長期計画にかかわらずいろいろな御決定等がございます、そういったものでございますとか、先生も御指摘の、今現在は次の長期計画を原子力委員会、御検討になっておられますけれども、その中でもいろいろ、議論の途上でありましても一つ一つの方向性というものが示されていく可能性は当然あるわけでございます。
  したがいまして、長期計画、この次期長期計画の策定の過程におきまして、現在御審議をいただいておりますこの新しい機構法に基づいてもし中期目標を作成すると、そういう必要が出てまいりました場合には、原子力委員会の御意見をしっかりと聞いて、そのことによりまして原子力委員会がお考えになっている基本的な政策の方向性、その中には次の長期計画の方向性もあろうかと思いますけれども、そのこととこの中期目標との整合性というものを図ると、また図られるという具合に考えている次第でございます。

○河合常則君
  お答えいただきましたように、連絡を密接にやっていただければ、これはその心配はないと、そういうタイムラグの差はあるけれども、それはあるけれども大丈夫だというふうにお伺いをしました。安心をしたわけでございます。いずれにしても、これは密接に連絡を取ってやってもらうということが非常に大事なんだというふうに思うわけでございます。
  さて、今度は新法人の経営に関してお伺いを、お尋ねをいたします。
  公的な機関の経営においても、昨今は郵政公社、道路公団、社会保険庁など民間出身の人材を経営のトップに据えると、そういう、そして経営マインドを持った経営体制を確立していくんだと、こういう例がございます。文部科学省の所管される独立行政法人の宇宙航空研究開発機構においても、初代理事長はJR出身の山之内秀一郎氏が任命されたと承知しています。
  この法人は、民間では実施するのは困難な原子力の研究開発を行い、この研究開発で上げた成果を電力会社などの民間企業へ移転するということを進めるという、言わば官民の橋渡しを行うことを業務とするものだと思うのでございますが、そこで副大臣にお伺いしたいのでございますが、このような新法人の業務の性格を考えれば、新しい法人の理事長としてどのような人材を起用すべきなのかというふうに考えておられますか、御見解をお伺いいたしたいと存じます。

○副大臣(小島敏男君) 答弁をしたいと思っています。
  様々な例を挙げながらこの人事の関係について非常に御心配をされているということがよく分かりました。新機構の場合にはやはりトップにだれが就くかということが非常に大きな関心事であることも事実でありまして、委員御指摘のように、やはり皆様のリーダーとしてふさわしい人、こういう方がなることが一番望ましいわけであります。
  文部科学省の原子力二法人統合準備会議の報告書にも書かれておりますけれども、新機構は、基礎・基盤研究から実用化を目指した技術開発までの幅広い研究開発を適切に遂行するため、強力なリーダーシップの下、法人全体の経営の統一性を確保するという困難な課題に対応できる強い経営が必要であるということが書かれているわけであります。また、独立行政法人等の公共性の高い業務を効率よく実施するためには行政の経験と民間の感覚をともに活用することが必要とされております。
  そこで、平成十六年の三月十二日に内閣官房長官が記者会見で発言したことが載っておりますけれども、これはいわゆるその新機構の関係だけでなくて人事の関係について発言されているんですけれども、特殊法人及び独立法人は公共性の高い業務を効率よく実施することが求められております、そういうことで法人運営には行政の経験と民間の感覚をともに活用することが必要であるということを内閣官房長官が記者会見で発言をしているわけであります。
  したがって、文部科学大臣に任命権のある今回の新機構の理事長の選任に当たっては、新機構の設立目的に即し、ただいま申し上げた考え方を踏まえて、経験、指導力等を総合的に勘案した上で最もふさわしい人を選任してまいるという考えでございます。

○河合常則君
  今、副大臣からお答えをいただきました。独立行政法人の経営については、非常に特殊法人以上に理事長の裁量の範囲とその責任は大きいと思うのでございまして、そのために、今おっしゃったように、人選につきましては、理事長の人選につきましては所期の目的を達成することができるということが非常に重要なことでございますので、いい人を見付けてきて任命していただきたいというふうに思うわけでございます。
  最後に、要望して終わりたいと思います。
  私は、この二つの法人が一つの独立行政法人になることによって安全性の確保がより確実になる、さらに原子力の研究開発のスピードが上がる、そして予算の配分も単年度主義の枠を超えてより弾力的に使い勝手の良いものになると、そして現場の研究者や技術者、彼らの働く環境も良くなる、そして元気になってやってもらえるという、そういう成果が上がるように、成果もきちんと上がるようにいいものになってもらいたいという期待と祈りを込めて、質問を終わります。よろしくお願いします。






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